欠損バーを始めてから10月で5年になります いままで色んな身体障害者の方にお会いして得た「気づき」

どうも、最近月一でしか自分のブログに時間を割けなくなってきている岡本タブー郎です。自由業って、全然自由じゃない……そんなことを痛感する今日このごろです。
5年前、今よりも威勢がよく、毒を吐きまくり、世の中を藪睨みしていた私が(いや、どんだけ若いねん)、「こういうのがあったらいいのに」と思って始めたのが『欠損バー・ブッシュドノエル』でした。
腕がなかったり、脚がなかったり、目がなかったり、何かしらが欠損しているけれど、でも可愛らしい女の子が一緒にお酒を飲んでワイワイやるバーです。気付いたら5年も経とうとしているなんて……。
やってみないと分からんことだらけ
あれから女の子も増えて、まあまあ知名度も上がって、だけど気負うこと無くやってきたつもりです。「気負う」とは、「我々は身体障害者の自立支援のために、ガ―――!」となることを指しますが、女の子たちも至って普通の子です。『身体障害者』と漢字で書けば、何だかちゃんと対応しなければ! と感じちゃうかもしれませんが、いやいや、中身はその辺を歩いている子たちです。
じゃあ、その辺を歩いている子たちとお酒を飲んで(もちろんソフトドリンクでも可)なにが面白いのかって言うと、「普通の子たちが急に体の部位を欠損して訪れた変化」と「欠損して生まれてきたけど普通の子として育ちましたが何か?」っていう話を聞けて、「ほえーーー!」と深く頷くことができるのです。
実は有りそうでない無い、この場所。
その貴重さに気付いている人は早くから欠損バーに通ってくださって、常連になって頂いています。最近ではお客さんと女の子がこの場所を大事にしてくれているので、和気あいあいとした雰囲気しか見たことがありません。
「キャッチのマエストロ」と言われた私が名付けたこの「欠損バー」という名前のおかげで、ほとんどの人は「一体どんな地下組織がやっているバーなんだ!?」と思うでしょうが、すみません普通のバーですし、私もほぼ居ません(笑)。安全すぎるほどなので、安心して遊びに来てください。
始めた当初は、ここまでお客さんたちに助けられるとは思ってもみませんでした。2015年の10月に2回やった欠損バーは、始まる前に私が新聞やマスコミ、ネットニュースにネタを仕込んだこともあって、それはそれはもうすごい数のお客さんが殺到しましたから…。
障害のあるお客さんが来てくれる嬉しさ
もうひとつ忘れてはならないのが、障害のあるお客さんがお店に遊びに来てくれることです。
これは始めてみて気付いたことなんですが、障害者は他の似たような障害がある人の様子を見て十分に学べることがあるんだなってことを知りました。だったら、障害施設とか専門家とかを訪ねればいいんでしょうが、いや彼ら彼女らも「そういうところばかりには行きたくない」んですよね。
なるほど! と膝を打ちました。
障害のある方が店に来られてよく言うのは「ネットで見て知って、みんなどんな風にしてるんだろう? って気になって」ということ。ただ、人がどうしているか気になるから、見てみたいだけなんです。仰々しくされたくない。だから、フラットに客になれる欠損バーは身体障害者の方にとって「そういう施設」よりは、行きやすい場所になっているんです。
「え、所変われば、障害ってお金になるの?(笑)」
こういうことも理解してくれて、考え方を変えてくれる人もいます。そういう方には「一度お店で働いてみますか?」と声をかけることもあります。
私は障害者のお客さんが来てくれることが一番嬉しいです。
なぜなら、考えたこともない明後日の方向のエピソードを教えてくれるからです。「実はこの腕は電気で動いとるんです」とか「思いもよらぬところから毛が生えてきて」とか「家系が遺伝で代々こうなって…」とか、およそ普通に生きていたら目にしないであろうことをたくさん垣間見ることができます。
そのたびに「うおお!」と叫んでいます。
世の中、まだまだ知らないことだらけです。欠損バーには本当に学ばされます。
5周年記念イベントをやるか、どうか
先にも述べたように「気負わずやってきた」欠損バーなので、それが4年だろうが5年だろうが特に何かをする気もなかったのですが……やった方がいいですかね?
気付いたら今年ももう、あと4ヶ月。
じゃあその4ヶ月のうちのどこらへんかで何かしらをやれたらやってみようかなって思います(どっちやねん)。もし、何もする気配が無かったら「やらんのかい!」とツッコミを入れてください。
うちの仕事できる子に、ぽわんちゃん(https://twitter.com/powan723)という左腕が生まれつき欠損している子がいるんですが、彼女のライフワーク動画をみんなで見る会とか面白いと思いますけどね。なぜなら、何でも出来るからです(笑)。以前発売したDVDに収録している「ドライヤーで髪を乾かす」シーンとか笑っちゃったもん。
これを見たら、「先天性と後天性って全然違うやん!」って気づきが生まれて脳が活性化されて、ドーパミンがたくさん出て、仕事が捗ること請け合いです。
ところで、何で私が気負いたくないか。これまでいくつか受けてきたインタビューで一番真面目に、大げさにすることなく掲載してくれた『ソトコト』さんの記事に全部含まれていますから、興味のある方は覗いてみてください。
では、また来月!(もっと書けや!)
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