テレビに出てくる『北朝鮮専門家』のほとんどは妄想を語っています

テレビに出てくる『北朝鮮専門家』のほとんどは妄想を語っています

テレビに出てくる『北朝鮮専門家』のほとんどは妄想を語っています。何故ならば、彼らは北朝鮮に行っていないし、あの中に直接キム・ジョンウンと会ったことのある人はいないからです。北朝鮮報道を見る時に、皆さんはこのことを念頭に置いておくことが必要です。

 

さて、私は『北朝鮮専門家』批判したいわけではありません。一時期私も北朝鮮担当として色んな取材をさせて頂いた経験から、どうしてもこの分野は憶測で語るしかないことをよく知っています。何と言っても資本主義の国ではありませんから、北へ入国するのも骨が折れます。「彼らが北へ行っていない」というのは、「あえて行かない」という選択をしている人も含んでいます。誰もがアントニオ猪木のように歓迎されるわけではありませんからね。余談ですがアントニオ猪木に同行して北へ行ったあるジャーナリストは、帰ってくるなり急に親北派に鞍替えしたようです。いったい現地で何があったんでしょうか。興味がありますねえ。

在日系の記者さんは「里帰り」として親戚を訪ねる振りをして取材している方もいらっしゃいますし、現地の親戚から情報をもらっている人もいます。中国にいる、韓国にいる潜入者からも情報を得ていることでしょう。
実話ナックルズでも以前「高麗ホテルの建設が再開された」というタイトルで現地の写真をある筋から入手し掲載した所、夜の飲み屋で「あれはどこで入手したんですか」と久田さんが公安に接触されたそうです。暇だよな公安も。

『北朝鮮専門家』はこれらのあらゆる情報網から入ってきたものを精査して、推測した意見をメディアで述べているのです。ですから、その通りになることもあれば、大きく外すこともあるわけです。ハングルが読めなければ話にならないし、非常に大変な仕事であることは重々理解しています。

 

 

しかし、1つだけ疑問があります。

 

 

毎日のようにテレビに出てコメントをしている『北朝鮮専門家』がいらっしゃいますが、その方は一体いつ取材しているのでしょうか?(笑)
「取材なんかしなくっても、俺のところにはひっきりなしに情報が入ってくるんだ」と言われればそれまでなんですが、よく聴いていると話している内容も古いし大丈夫なのかなあ? って思ってしまいます。そればかりか、時に『北朝鮮の広報マン』みたいな内容に聞こえることがあるんですよねえ。

 

 

その面白い姿と言動で、イロモノとして扱われることが多い「金正日の料理人」という方がいらっしゃいます。藤本健二さんですね。今は平壌へ渡り日本料理店を営んでいらっしゃるそうですが、私も数度お会いしたことがあります。

彼がすごいな〜と思うのは、やはり本物の金正日と、その息子である正恩に直接会っていることなんですよね。こればっかりはどんな『北朝鮮専門家』よりもずば抜けてすごい所です。そして、時は金正日の体制下でしたが、彼ははっきりと私にこう言ったんですよ。

 

「長男の正男というのは国民は誰も知らない。腹違いの兄貴なんかを公表しない。正式な長男は正哲(ジョンチョル)だ。だけど彼は線が細いっていうか、芸術家肌なんだよね。だから次の後継者は次男の正恩になると思う。彼は気が強くて、父親や祖父にそっくりなんだ」

 

この言葉は数年後に現実となりました。ピタリと言い当てたんですよ。当時こんなことは誰も言っていなかったし、藤本氏の言動を馬鹿にするような記事ばかりでした。いや、というか、金正日に二人の息子がいることを世界が知ったのは藤本さんの情報に寄ってだったんですよ。なんてったって、藤本さんは金正恩の幼いころの遊び相手であり、正恩は彼を「フジモトー!」と呼ぶそうですから。

 

こんな第一次情報は誰も持っていません。

 

日本ならば記者クラブに在籍したり、フリーランスでも有名な記者になれば、直接安部首相に近付いて質問を投げかけることができます。タイミングによっては首相が答えてくれることもあるでしょう。時事通信の田崎さんのように「総理と寿司を食う仲」ということだけがレゾンデートルのような人もいます。
しかし北朝鮮ではこのようなことは99.9%無理です。藤本さんはその0.1%を手に入れた人ですから、その意見を有り難く頂戴するしかないのです。
彼はいつも銀色のアタッシュケースを持ち歩いており、その中には見たこともないすごい写真が山のように入っていました。

「この中には3億くらいの価値がある情報が入ってるのよ、えへへ」

夜なのにグラサンをしている藤本さんは額に汗を光らせながら私にほくそ笑みました。
すでに藤本さんの書籍の中で語られているとは思いますが、
「ソン・ヘリム様が廊下ですれ違う時に『私、在日なのよ』と言った」
とか、
「金正日様はとにかく日本の築地のマグロが好き」
とか、
とても興味深いお話をしてくれました。
その時の記事は著者からOKが出ればこのブログに掲載いたしましょう。

金正恩が日本に対してどんな感情を抱いているのか、それを知れば様々なことを察する情報になると思うんですよね。

 

あと、長くなるので、この辺でやめますが、
みなさんもっと在日朝鮮人のことを勉強しましょう。
何かあると彼らを非難したいキモチは分かりますが、言ってることが的外れな人が多いですよ。とりあえず、総連と民団の違いくらいは理解した上でSNSなどで語りましょうね。

はい、そんなわけで、
「テレビを見る時は疑ってかかりましょう」
というお話でした。

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