ミリオン出版の女性社員に立ちんぼで価格競争させた話

ミリオン出版の女性社員に立ちんぼで価格競争させた話

「今日はみなさんに、ちょっと立ちんぼをしてもらいます」

 

前回の『ハリウッドのセクハラ事件で思い出した私が過去に犯したとんでもない下劣セクハラ取材』でご紹介しましたように、実話ナックルズを追い出された編集長の中園さんと私に新媒体を立ち上げろという命令が下りました。おそらく2009年頃だったと思いますが、この当時でも出版界の不況は深刻であり、雑誌の新媒体を立ち上げるとか狂気の沙汰でしかありませんでした。つまりこういうことです。我々が決定的な失敗をするのを待ち、そこで改めてリストラなり島流しなりを悠々と実行しようという意味だと私は捉えました。私はともかく、立派な家と妻と子供がいる中園さんを路頭に迷わせるわけにはいきません。この挑戦こそが“絶対に負けられない闘い”だったのです。

新雑誌は『仰天(ギョーテン)』という名前に決まりました。みんなが驚くような内容を面白おかしく伝える雑誌という意味から来ていますが、今考えると、このコンセプトで勝負すること自体が負け戦だったと痛感します。

ただ、手前味噌ではありますが、このブログを書くために仰天を久しぶりに開いてみたんですが結構面白いんですよね。なかなかギリギリなことをやっているんですよ。

 

「ミラクルひかるの顔マネ図鑑」
「某風俗店に現れた金正男を激写!」
「ネットに流れる芸能人のハダカ写真の嘘を全て解説」
「ウーパールーパーを食す!」
「デブ女乱交サークルへ潜入!」
「東スポに『あの記事は本当なのか?』と電話してみる」
「元モーニング娘。福田明日香さんとカラオケしてきた!」
「ケンカ最強芸能人は誰だ!?」
「異色の芸能人・ミス★クリマスク、一ノ瀬文香インタビュー」
「芸能界共演NGリストを入手!」
「タブー郎が路上でナンパした女の子を脱がせる袋とじ」
「なんで女子アナは野球選手に食われるのか?」

 

ちょっと挙げただけでも面白そうじゃありませんか? 贔屓目に見ても内容は充実してて読み応えがあるんですよね。

特に、1号の表紙はKONANちゃんなんですけど、KONANちゃんの写真をあり得ないくらいにデジタル加工して掲載しています。これは、当時2009年だったけど、この先どんどんこういう風になるし、みんなが簡単に写真を加工できるアプリとかも出てくると思うので、騙されないように手の内を全部明かします!…という趣旨でした。世界が浜崎あゆみのレタッチに気付いたらいいね〜、と。

しかし、こんな企画に賛同してくれるグラビアアイドル事務所なんてなかなかありません。しかも新媒体ですからね(笑)。
そこで、日頃からお世話になっていた吉富マネージャに電話したわけです。吉富さんはロンドンハーツ(テレビ朝日)で自分がマネージングするKONANちゃんを番組内でダメ出しするというオモシロマネージャーで、ご存知の方も多いと思うので実名で書かせてもらいます。頭も良くて行動も早い人で、私の依頼にも「なんだかよく分からないですけど、面白そうだからイイっすよ」と二つ返事で了承してくれました。

撮影は順調に進みました。私も現場でKONANちゃんに恐る恐る説明しました。彼女は「え、じゃあ私の普通の水着姿は表紙にならないんですか?」と質問してきましたが、正直に「はい…」と答えると目をつぶって静かに頷いてくれました。そりゃそうですよ。表紙の仕事キター! と思ったら加工ありきの企画モノなんですからね。その時の表紙と中ページをここに掲載しておきましょう。

 

「じゃ、今から説明するから、みんな聞いてね」

ミリオン出版の女性社員9人の前で段取りを私が説明しています。前回ご紹介したように、この9人は「立ちんぼやってくれない?」のお誘いに何の疑問も呈さずに集まってくれた有志です。
新媒体を絶対に成功させなければならない。そのためにはどえらい企画をやらなければいけない。そこで私が目玉として考えたのが「ミリオン出版の女性社員に立ちんぼやらせてお値段を競わせる」という企画でした。

 

「今から私が以前より温めている“立ちんぼスポット”に一人づつ立ってもらいます。そこに立っているとほぼ100%で男性から声をかけられます。その姿は近くの車の中から望遠レンズで捉えています。もちろんみんなの近くには男性社員が2名ほどいるのでヤバくなったら助けを求めてください」

重要なのはここから。

「で、向こうは『いくら?』とか必ず聞いてくるから自分から値段を言わないように。相手に値段を言わせるようにしてください。その言い値が“あなたの値段”です。相手から値段を引き出せたら『ごめんなさい、今日はやめときます』と言って車に戻ってくるように」

アルファードの中で私の話を聞いていた女性陣から笑いが起きます。

「うそーー! 緊張する−−!」
「なんか怖い〜!」
「値段付かなかったらショック…」
「どんな顔してたらいいの?」

などなど、色んな声は上がるけれど「嫌だ」とか「帰りたい」「やりたくない」とかは絶対に言わないのがミリオン出版社員です。

「えっとね、立ってる時に下を見ないでね。なんか自分のことを見てるな〜って思ったら、その人と軽く目線を合わせてください。で、まっすぐ自分に近付いてきたら軽く微笑む」

キャハハハハ! 車の中には楽しげな嬌声が上がっています。フフフ……笑っていられるのも今のうちだぜ。私は黙々とカメラのセッティングをし始めました。

 

 

ここからは実際の取材内容になりますが、ほぼ全員がミリオン出版を退社しており、中には新しい家庭を築いている子もいるので仮名で話を進めて行きたいと思います。

 

「じゃオラ沢ちゃん、行こうか」

オラ沢ちゃんはファッション誌・メンズナックルの女性編集者。見た目は完璧なギャルで休日はイエローハットに行くのが楽しみだというヤンキーです。背が高くて、当時21歳という若さでした。そして声をかけられた回数が1番多かったのも彼女。
スーツを着た小さいおじさんが彼女をえらく気に入ったようで何度も戻ってきては彼女と交渉していました。
「ああ〜〜いいオンナだねぇ〜〜〜」
と言いながらケツは触るわ、スカートを引っ張るわ。近くで見張っている男性社員に無線で『助けに入れ』と連絡しようとしましたが、
「じゃあ、いくらなら出せるんですか?」
と返すオラ沢。その様子を全員が固唾を呑んで見守ります。
「今日元気ないからさ〜頼むよ、1で! ね?」
小さいおじさんは21歳のギャルに1万円を提示してきました。
「今度、今度は3万あげるから、ね? ね?」
オラ沢はキッ! と小さいおじさんを睨み付け、車に戻って来ました。
トップバッターのオラ沢の苦戦具合を見て、他の女性社員たちの顔色も変わりました。ザワザワザワ……私たち……どんだけ値踏みをされるのかしら……。最年少のオラ沢が1万円だったわけですから、お姉さんたちが焦るのも仕方がないですよね。
「自分……イチっす……イチの価値しか無い女ってことがよく分かったッス(泣)」
オラ沢は意気消沈していましたが、若くて話しやすい子だとこんなもんです。

 

「じゃあ次は、駒込さん、行こうか」

最年少の次に最年長を持ってくる所が私の性格の悪いところです。オカルト雑誌編集部の駒込美沙子さん36歳に声をかけました。
「もぉ〜〜〜絶対ムリーーー、今の見てて自信なくなったーー(泣)」
駒込さんは完全にビビってしまっていましたが、この日に限ってパンツがギリギリ見えるか見えないかくらいのマイクロミニスカートとロングブーツを着用しています。私は内心(やる気まんまんじゃねーかよ)とツッコミを入れながらも「大丈夫大丈夫!」と現場へと促しました。
15分くらい立ちんぼスポットに立っていました。なんだか切羽詰まった感じの30代前半くらいのサラリーマンに声をかけられます。
「あの……1万2千くらいで……どう……ですか?」
この時点で声をかけられた駒込さんは合格です。私の説明では“相手から値段を引き出したら終了”なのですから。しかし、ここで終わらないのがミリオン出版で鍛えられた女性社員なんですよ。次の言葉にアルファードの中の我々もびっくりしました。

「だって……あたし……お釣りないもん」

ギエーーー! こいつ価格を釣り上げようとしてるーーー!! 立ちんぼなんてやったことないはずなのに何故とっさにこんなセリフが出てくるのでしょう!

男「あ……あの、細かいのなら、あります!」
駒込「やだぁ……でもぉ……」
男「じゃ、じゃ、じゃあ、1万5千円ピッタリで!」
駒込「ううん……でもぉ……」
駒込さんは口元で綺麗にネイルが塗られた指をクネクネさせながら男の前で迷っている演技をしています。車の中からファインダーを覗いている私は思わず「怖ぁ」と呟いてしまいました。結局最後は、
「2万出すから朝まで一緒に抱き合っていて!」
と言われて気持ち悪いので車に戻ってきました。

 

「では次。矢部ちゃん、行こうか」

エロ本編集部員の矢部ちひろちゃん25歳。こういう取材には慣れっこなので私も期待していたダークホースです。彼女もショートパンツでがっつり脚を出してきました。細身の矢部ちゃんですがスタイルが良いので立ちんぼしていると大陸系のお姉さんと見まごうばかりの娼婦っぷり。さあ、高値出るか?

「君い、立ってるのかね?」

さっそくはえ縄に引っかかったのは、パンチョ伊東かよというベレー帽みたいなヅラを被ったおじさん。60代くらいだと思われる。

矢部「あ……はい……立ってます」
ヅラ「ほう。いくらかね?」
矢部「……2以上で……」

先発した二人よりは成果を上げたい、そんなはやる気持ちからか思わず価格を口にしてしまう矢部ちゃん。ところが意外な答えが返ってくる。

ヅラ「ばかもん! この辺はイチゴーと相場が決められてるんだ。そりゃちょっとやりすぎじゃないか?」

焦りました。スーツを着たおじさんだったので油断していましたが、こういう事情に詳しいとなると地回りかもしれません。地回りとは、立ちんぼの近くで見張っている恐い人のことですが、たいてい見た目ですぐ分かります。

ヅラ「さっきこの裏のホテル街で手入れをやってたから気を付けな。あんまり見かけねえ顔だし、今日はやめときな」

私は焦って無線を取り出します。

《こちら岡本、こちら岡本。いま矢部に話しかけてるオヤジ注意、オヤジ注意。裏のホテル街にパトカーいるか確認よろしく》

確かにパトカーが出動していましたので矢部ちゃんには中止の合図を送りました。結果は二人に声をかけられてどっちも1,5万円でした。
「こういう職業ってホント辛いと実感しました〜〜」
と矢部ちゃんの談。

 

「では次に、戸井田さん行こうか」

メンズナックル編集部の戸井田つぐみさん31歳。公園で彼氏とキャッチボールをするのが夢だと語る地味な女性です。以前、道を歩いている時に「5,000円で遊ばない?」と言われたことがあるそうで、1番この取材を恐れていました。
「大丈夫大丈夫、意外と需要あるって」
と適当な事を言い戸井田さんを現場に立たせます。戸井田さんは地味めな上に、当日はねずみ色の服にカーキのズボンを履いていたので銀行員の休日にしか見えず、立ちんぼなのかどうかがよく分からない為か声をかけられるまでに1時間ほどかかりました。
やっと声をかけてきたのはクレジット会社に勤めるという31歳のサラリーマン。同い年ということで話が盛り上がったみたいなんですが「じゃ、1,5で」と言われてしまいます。私が教えた「お金が必要なんです〜」を連呼するも、あっさりと拒否されてしまいます。
「じゃ、今日はいいから、電話して」
と無印良品のレシートの裏に電話番号を書いて渡されます。“この女ヤレる”と思われてしまったのでしょう。トボトボと車に戻ってきた戸井田さんは、
「わたしはもう旅に出ます…」
と疲れ切っていました。

 

このあと4人、順調に立たせていきました。
相場としては1万から3万といったところでしたが、平均金額は1,5万円です。「ホテル代も込み」と言ってくる猛者もいましたが、基本的にホテル代は男性が支払う場合が多いようです。
私が見つけたこの場所は、女性が立っていると絶対に声をかけられるスポットです。援交女性を取材するときに待ち合わせ場所に指定され、待っている間にこの現象に気付きました。
以後、とても大事に温めてきた場所です。
ここぞ! という時に使おうと思っていました。
コンビニ雑誌でこんな企画をやったのは仰天が初めてだったかもしれません。

 

「じゃ、最後に、春山行こうか」

当時、漫画ナックルズ編集部にいた春山有子(26)を最後に持ってきたのは理由がありました。私は彼女が持っている編集者としてのずば抜けた才能に気付いていたからです。具体的に説明するのはちょっと難しいですが、私がそのセンスや言動・企画力に惚れ、絶対にすごい編集者になると思った唯一の人物でした。
後年、私がBLACKザ・タブー編集部を立ち上げる時に、社長に無理を言って春山を自分の編集部に異動させてもらいました。中園さんが私を異動させたように、私も春山を異動させるという1度しか使えない禁じ手を行使してしまったのです。実はBLACKザ・タブーの色んなオモシロ記事は彼女がいなければ成り立っていないものが多くあるのです。
この時は自分の部下ではなかった春山でしたが、私は何かにつけて彼女をレンタルしていました。そしてその度に「間違いない」と確信していたのです。“俺が何かやる時は絶対にこいつが必要だ”と。

 

「こんな格好でいいでしょうか岡本さん?」

 

春山は立ちんぼ企画ということで、わざわざ衣装を買いに行き、「昭和のパンパン娘」みたいな格好でやって来ました。その時点でもう吹き出しそうになっていました。バニラビーンズみたいな緑のワンピースに、白のタイツを履き、大きすぎるリボンを頭に付けていたんです。おまえの時代考証どうなっとんねん、と。

 

 

 

「いや、ええけど、目立つなあそれ……」

誰よりも意気込んでこの企画に挑戦しに来た春山は、「目立ってナンボです」と言い現場へ向かいました。さあ〜どんなオモシロが起きるのでしょうか。私はワクワクしてファインダー越しに“緑のパンパン”を覗いていました。

写真のように強烈に目立っているので男たちからの視線はすごいものがありました。レンズを通しても、これから面白いことが起こることが想像出来ました。

15分ほど経ったところで一人の男が話しかけてきました。40歳前後のスーツを着たサラリーマンでした。

男「なにしてるの?」
春山「こんばんわぁ。遊び相手欲しいんですよぉ」
男「え……君、どっち?」
春山「日本人ですよぉ(笑)」
男「いや、そうじゃなくて」
春山「へ!?」
男「(股間を指さしながらキレ気味に)おまえ、男だろ!」
春山「お、女だよぉ! だってほら、声とか女じゃないですか?」
男「えーー、男っぽい声じゃんか」

確かに、オカマっぽくはあるんですよね。しかも本人曰く「モリマンを指摘されて焦った」と言っていました。股間にサラシ巻くわけにはいかないしね。

春山「じゃあ、私が女だったらいくら出す?」
男「3〜5万くらいだな」
春山「男なら?」
男「1万かなあ…ホントに女なの? だってモッコリしてるじゃん!」

立ちんぼやっててモリマンを指摘されたら、あなたならどうします?

春山「え〜〜バレちゃったか〜〜」
男「やっぱりな! 骨格がしっかりしてるもん。下は取ったの?」
春山「えっと……まだ2つとも付いてるよ」
男「そっかぁ……」
春山「でも1なんだよね? じゃあ今日は諦める〜」

あまりにも目立つので8人ほどに声をかけられる春山。しかし平均金額は2万円くらいでした。男娼に間違えられて春山はなぜか嬉しそうでした。そろそろ時間的にも終わりかなと思ったその時です。

 

「おい、おめえ、見ない顔だな」

 

一人の中年男性が声をかけて来ました。ファインダーを覗いていた私は「あ、ヤバい」と声に出してしまいました。クレープシャツを着た、スキンヘッドのおっさん……これはもう完全に“地回り”の人でした。

「おめえ、さっきから見てると、客を取ってるだろ!」

あかんあかんあかん、ちょっとだけ移動した時にどうやらどこかの縄張りに入ってしまっていたようです。“ホンモノ”が登場してしまいました。

「すぐ助けに入れ! 車を横付けするから飛び乗れ!」

男性社員に無線を飛ばします。車の中はちょっとしたパニックになりました。春山を助けるために私は最後部座席から運転席に移動します。女性たちも「どうしよう…」と不安げです。
春山の近くにいた男性社員が走って近付いていきます。完全にヤバい人に絡まれている春山の姿を見て、正直震えたそうです。
しかし、意外な無線が入りました。

「岡本さん、春山が近付くなと合図を出しています」

春山はスキンヘッドに気付かれないように「来るな!」と手で合図を出していたようです。なるほど、と思いました。何とか最小限の被害で食い止めようとしているなと思いました。彼女ならやりかねません。

「わかった。すぐ行ける距離で見てて」

私は男性社員にそう連絡し、アルファードを春山の背後に近付けました。何かあった時には俺が飛び出ていこう、そう考えていました。後部座席の女性陣も春山の動向を凝視しています。

春山「ごめんなさい。お客は取っていないんですけどお話はしていました」
スキンヘッド「なんでこんなところでやってるんだ。ここはウチのシマだ」
春山「ああ、すみません。実は大学の卒論で貧困の調査をしているんです」
スキンヘッド「あ? 大学生かおまえ?」
春山「はい! いったい私はいくらになるんだろうと思いまして聞いて回ってたんです」
スキンヘッド「なんだそりゃ!」
春山「あの、私っていくらくらいで売れますか?」
スキンヘッド「1万だろ」
春山「ひどい〜〜〜!」

春山の機転でスキンヘッドに隙が出来ました。

スキンヘッド「ここで客取りたいなら俺に言え。折半で営業させてやる」
春山「ありがとうございます。でも、1万円しか稼げないんですね…」
スキンヘッド「だって、おまえ男だろ。男娼なら1万ってところだ」
春山「あの……え? ……おじさん?」
スキンヘッド「俺はこの商売何年やってると思ってんだ。おめえが男だってことは百も承知よ」

さすがの春山もこの時はショックだったと語っていました。

「行け! 今だ!」
無線で私が男性編集者に連絡します。それに気付いた春山は、
「あ、◯◯くん、ここ、ここ!」
と言い、スキンヘッドに
「いっしょに卒論やってる仲間なんです。失礼します」
と笑顔で言いました。
グルっと回って車までやって来て、二人は乗り込んで来ました。

「すみません! トチりました!!」

わぁ〜〜! 良かった〜〜!!! と女性陣に迎え入れられる春山。私はとりあえず無事に取材が終わったことに安堵しました。

「よし、みんな焼き肉食べに行こう! 俺のおごりだ!」

やったーーーーーー! 女性陣は喜びの声をあげました。さっきまであんなに怖いことがあったのに、呑気なもんですよね。とりあえずみんなで食べた焼き肉は最高に美味かったと記憶しています。

 

 

 

私はこの企画・取材で強く思ったことがあります。

それは「女ってすげえ」ってことです。

あれだけ「できるかな」「怖いなあ」とか言っていた子たちが、いざ現場にひとり立たされると、それぞれが女優のように娼婦を演じました。

顔には出さなかったけれど、感動しました。

お笑い企画だったけれど、得たものはとても大きかった。
今でもこの企画に参加してくれた彼女たちには感謝しています。

 

この立ちんぼ企画は社内ではすごく反響がありました。
中園さんのところに色んな先輩方が「この企画おもしろいな!」と言いに来てくれました。褒められている中園さんを見て鼻が高かったものです。
中でも、私を面接しといて取ってくれなかった別冊GON!の編集長が「こんなのやられたら、もうエロ本の出る幕ねえよ〜〜」とおっしゃっていたのがとても感慨深かったことを覚えています。

ここまでして必死に作った『仰天』ですが、全く売れず。
2号で廃刊と相成りました。

この後は、いろいろな雑誌を作り迷走していきますが、そのお話はまた今度。

 

 

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