革命のファンファーレは鳴っているのに、なぜ雑誌は売れないのかを考えてみた。

革命のファンファーレは鳴っているのに、なぜ雑誌は売れないのかを考えてみた。

『革命のファンファーレ』を読みました。

 

先月買っていたんだけど、外国にいたりと忙しかったので、昨日一気に読みました。なんだよ……俺が言ってたこと全部ここに書かれてるじゃんか(笑)。本を読んで、こんなにも全てに同意出来たのは、本当に久しぶりかもしれません。キングコング西野という人は、よくぞ浮ついた世界にいながら、ここまでの答えを導き出したなあ…と素直に感心しました。いろいろ世間からバッシングもされたけど、めちゃめちゃ俯瞰的な視点を持っているのは、彼が苦労してきたであろう軌跡を思い伺わせます。

 

これを最も読まなければならないのは、
30〜40代だと思います。

 

60代より上はもうダメでしょう。
たぶん意味が分からないと思います。

 

10〜20代は必要ないでしょう。
たぶん、ここに書かれていることは全て理解しているでしょう。

 

フワフワしてるロスジェネ世代こそ、
早くこれを理解した方が良いでしょう。

 

時代が変わったんだから、
僕らも変わらなければいけないんです。
これからは勝ち組・負け組じゃないんです。
「生き残る」ことが最重要課題なんですよね。

 

著書の中で西野さんは出版の仕組みについてもちょっと触れていましたが、なかなかよく知っているなあと思います。

ただ、プロから見るとちょっと説明不足な部分もあったので、私から見て「なぜ雑誌が売れないのか」ということを補足してみたいと思います。

 

それは出版のシステムがオワコンだからです。

 

もう何年も何年も前から雑誌が売れないことが分かっているのに、なぜ誰もこのシステムを構造改革しようとしなかったのかが不思議でなりません。「どれだけ売れるか分からない」ものを売ろうとしているんです。日々是博打を打っているわけです。洒落にならないところまで来ています。

ここまで目に見えて本屋が無くなっているということは「自分たちが作るものを置いてくれる所が無くなっている」はずなのに、ノ〜ンビリしているんですよね。鼻くそをほじりながらそのニュースを見ているわけです。揃いも揃って全員がバカなんです。

 

出版のシステムが終わっているのは以下の3点です。

1、流通のシステムがクソ
2、営業の考え方がクソ
3、ネットより紙が偉いと考えてるクソ

 

では、1から見て行きましょう。
みなさんはご存知かどうか知りませんが、出版社が作る本というのは「取次ぎ会社」を通して書店やコンビニ運ばれます。作り手と売り手の間に入るこの「取次ぎ」が何をしてくれるかというと、おおまかに言って「本を運搬してくれる」ことと「お金を計算してくれる」ことです。

取次ぎ会社は日本に数社ありますが、2社の大手によって牛耳られていると言っても良いでしょう。

それは、
「トーハン」と「日販」という会社です。

コンビニで言うと、セブンイレブンにはトーハン、その他のコンビニには日販が運搬しています。

この取次と出版社との関係性はこうです。

まず、出版社が本を作ります。

出版社の営業が取次を訪れます。

「今度こういう本を出すんですが〜」とお伺いを立てます。

取次の窓口の人間が本を吟味します。

類似本の過去の実績を見て
「う〜ん、これなら3,000部じゃね?」
と部数を勝手に決めてきます。

その部数じゃ困る場合は営業は
「そこを何とか!」と懇願します。

「でも実績ねえし、増えても3,500ね、はい終わり」
と言われます。

営業はトボトボ会社に戻ります。
「3,500でした……」と報告します。

「バカヤロー! そんなんで売れるか!」
と営業部長に怒られます。
「3,500だと? ふざけんな!」
と編集にも怒られます。

にっちもさっちも行かなくなったら

この取次の担当者を料亭にご招待などして機嫌を取ります

「じゃ、5,000にしとこうか」
と引き出すことができました!

 

これを「部決」と言います。
文字通り部数が決まることを指します。

 

読んでてどう思いましたか?
クソみたいにくだらないと思ったでしょ?

 

取次を通して商売をしている以上、自分たちが売りたいものの数も決められないし、売りたい場所も決められないのです。

取次の担当者は出版の素人です。

この素人の鶴の一声で商品の個数が決まってしまうのです。

物が売れていた時代はこれで良かったのかもしれません。
しかし、今の時代になっても、このような得体のしれない会社を通して商売をしていることに、出版社は疑問を感じないといけません。

いえ、感じているのかもしれません。

でも、見てみないふりをしているんですよ。大きなところに文句が言えなくて、タブー視しているだけのことなんですよ。

 

どうしてもっと売り方を変えないのでしょうか。
売り場を変えないのでしょうか。
なぜ取次にしがみついているのでしょうか。

 

巨大な中抜き産業である取次が存在している以上、
雑誌が売れることは二度と無いでしょう。

欲しい人に届けることができていないから、
雑誌は売れていないのです。

いくら面白いものを作っても、
売る奴が素人ではビジネスが成り立ちません。

 

 

2、営業の考え方がクソ

 

これは1と同じ理由からですが、最も最前線にいて、最も変化しないのが出版社の営業です。
なぜ売れなかったのかを検証できていないんです。

売れなかったのは編集のせい。
売れなかったのは内容のせい。
売れなかったのは表紙の色のせい。
売れなかったのはページ数のせい。
売れなかったのは戦争のせい。

本気でこういうことを言いますからね。
とにかく中学生と話をしている気持ちになるんですよ。
なんんんんんんにも検証できていない。

とにかく取次の機嫌をうかがい、1部でも増やしてもらおうということしか考えていません。

ですから、取次の担当やコンビニの担当から「このセックスという言葉はいかがなものか」と言われたら会社に飛んで帰ってきて、「この文字を変えて下さい!」と平気で言うわけです。自分が何を言っているか全く分かっていないんです。

そんな暇があるんだったら、たとえばチェーン店のマクドナルドやユニクロで本を置いてもらえないか、とか、Amazonともっと交渉してこよう、とか、手売りのイベントやってみよう、とか、営業なら営業らしくドラスティックに売ることを考えないのか!? と不思議に思います。

この時代、いろんな仕掛けをたくさん作って、モノがやっと売れていくんですよ。

私は会社員時代、自分が作っている本を一人でも多くの人に読んで欲しくてツイッターを始めました。まずは知ってもらうことが必要だったので、けっこうセンセーショナルなこともやりました。

買わなくていいから立ち読みをしろ! と書いたこともあります。
だって、まずは知ってもらうことが必要だから。

しかし驚いたことに、
「あんなことを書くのはいかがなものか」
と営業部長から言われたのです!

私は腰が砕けそうになりました。
何にも見えていないのです。
見ていないのですよ!

本を売りたいという目標は同じなはずなのに、
敵は社内にいたわけです!

獅子身中の虫という言葉がありますが、まさにこれです。
この虫によって会社は潰されていくのです。
私が好きだった会社は、虫垂炎を悪化させて死ぬのかもしれません。

 

3、ネットより紙が偉いと考えてるクソ

 

意外とこれも深刻なんですよね。
こういう奴って多いんですよ。
ネットで調べ物して雑誌作ってんのにネットをバカにするわけです。

出版社のみなさん、ネットはあなたがたの雑誌や本の「売り場」じゃないんですか?

どうせ売れなかったら取次ぎから大量の在庫が戻ってくるじゃないですか。でもAmazonみたいなところは売れるまで在庫を保管してくれるし、有名な著者であればファンクラブサイトを運営すれば個別に販売ができるじゃないですか。

これからコンビニは雑誌を置かなくなります。
ただでさえ苦情の多い商品を置きたくもないでしょう。
それに最近は立ち読みしてる人が少ないですよね。
もう60代より上しか買ってないんじゃないすかね(笑)。

 

私は雑誌が売れるには、
ネットで仕掛けを作ることが重要と考えています。

面白いものを作っても売れないのは、
欲しい人に届けていないからだと思います。

だからこそ取次ぎに頼る姿勢は考え直す時です。

ネットというものをちゃんと駆使して、
新しい売り方を考える時なんですよ。

ただ単に宣伝しかしない販促ツイートを
誰が有り難がりますか?
舐めてるんですか?

出版社が考える「雑誌と連動」って考え方には血が通ってないんですよ。お前ら口先だけで「連動」とか言ってるだろ。

 

博打はやめる!

 

売り方を買える!

 

売れないのを人のせいにしない!

 

ちゃんと熱意を持ってネットを考える!

 

 

ね、みなさん。
私が中学生たちと仕事をしてきた辛さ、
少しは分かって頂けました?