白鵬や日馬富士や“私”が受けた警察の「事情聴取」って何をするか知ってます?

白鵬や日馬富士や“私”が受けた警察の「事情聴取」って何をするか知ってます?

すみません、ちょっと間が空きました。

TABLOの創刊に関わる作業でてんやわんやで自分のブログを放りっぱなしだったんですが、

「こっちのブログの方を待っている」

というご意見も頂きまして大変恐縮いたしました。そういう奇特な方々へ向けての配信も怠らないようにしたいと思いますです、はい。

で、ちょっと気付いたことがあるんですよ。

連日TABLOで日馬富士暴行問題について、あれやこれやと記事を掲載していて、ふと、

「あ、もしかして、みんな警察の事情聴取ってどんなことするのか知らないのか!?」

と。
普通、人間生きていたら、警察の飲酒の検問とかに遭遇するじゃないですか。私なんて職務質問11回やられてますからね。なので、みなさんも『事情聴取くらいあるだろ〜』と気楽に思っていたんですが、どうやら普通の生活をしていたら事情聴取なんてされないんですってね?

そんなわけで、白鵬や日馬富士が事情聴取されるということが、さも大犯罪を犯した、もう終わりだみたいにマスコミが騒ぐわけです。マスコミの人ですら、警察に捕まって事情聴取されたことない人が多いんでしょうね。

 

ちなみに私は3回ほど事情聴取されたことがあります。

 

警視庁と埼玉県警と兵庫県警にやられたことがありますが、今日はそのうちの1番易しかったヤツ、「名誉毀損で訴えられた刑事事件」の時の兵庫県警バージョンをお送りしたいと思います。あとの2つはヘビー過ぎて、メルマガか書籍くらいでしか書きたくありません(笑)。

もう、ちょっといつだったか忘れたんですが、雑誌である人物を「インチキ野郎」と書いたら名誉毀損で訴えられました。名誉毀損なんて、なかなか受理されるものじゃないんで内容証明が届いた時も気楽に構えていたんですが、どうも弁護士がゴリゴリだったようで兵庫県警は受理してしまったそうです。私の携帯にいきなり刑事から電話がかかってきました。

「あ〜岡本さん? 私ねえ兵庫県警の◯◯言いますねんけどね、あなた名誉毀損で告訴されてますねやわ。ほんでね、こっちへ来てもらうのも遠いさかいにそっちへ行きますわ。神田警察署いうとこあるでしょ? そこへ●●日に来て欲しいんですわ」

めちゃくちゃ濃い関西弁でした。しかも大木こだま・ひびき師匠の「言うてくれたらこっちから行ったのに」を地で行っています。も〜めんどくさいな〜と思いながら、私は神田警察署へ約束の日時に行きました。

これ、私が逃げる可能性って低いじゃないですか。なので別に強引なこともしないし、「来てね〜」っていうラフな感じで約束するんですよ。

刑事課の隅っこにある小さな取調室が何部屋かあるんですが、その中の一つへ通されます。たいていどこでもそうですが、視聴覚教室みたいに穴の空いた壁なんですよね。コルクボードっていうんですか。

で、刑事は必ず二人組で聴取します。若いのとベテランです。大抵質問は若いほうがしてきて、ベテランは後ろで天井を見つめながらやりとりを聞いています。で、アホみたいにでっかい「プリントも出来るワープロ」を叩きながら質問してきます。

そりゃあもう、本当に基本的なことから質問されます。

出身地は? 生年月日は? 小学校は? 親は健在? 離婚してる? 犯罪歴は? 怪我は? 恋人は? などなど、プライベートのオンパレードを躊躇すること無く聞いてきます。私もいちいち、

「そんなん要るんですか!?」

などとわざと茶々を入れたりしていました。で、その質問が「何大学出身ですか?」という項目の時でした。

 

「◯志◯大学文学部です」

 

まあ二流とはいえ、一応私の出身大学は関西人なら誰でも知っている(と思います)学校です。それを聞いた刑事は、

「むむむ……やっぱアレでんな。こういう文筆業言うか雑誌とか作る方は、賢いでんな……私なんかよう太刀打ちできまへんわ」

と少し軽口みたいなことを言ったのですかさず、

 

「刑事さん、どこ出てるんですか?」

 

と聞きました。
この流れだと絶対断れないはずです。

「わ……私は神戸学院言うところで……」

私はその時あえて「ニヤッ」としてやりました。「こんなアホな奴の名誉毀損を真に受けるんだから、やっぱりそんなとこしか出てないんですよね」とは言ってません。言いそうになりましたが。

「あ、そうですか。同じ関西じゃないですか〜。何年ぐらいに在学したはったんですか? もしかしたらすれ違ってたかもしれませんね〜」

そこからはちょっと私の方が有利、まあでももちろん聴取は素直に受けますよという態度を貫きました。こんな感じでのらりくらり、2日間も聴取されました。あ、もちろん1日に3〜4時間程度ですよ。ちゃんと帰って寝ました。

 

で、事情聴取にはとても肝心な局面が必ずあります。

 

それは、刑事が「あなたは反省してますか? してませんか?」と訪ねて来る時です。

これは前述した警視庁や埼玉県警の時も同じでしたから分かっていたことなんですが、やはりここで揉めてしまうんですよね。

「反省ですか……? いや〜業務でやったことですし、ちゃんと裏を取ってのことですからねえ。反省しているとは言えないです」

まあまあの友好関係を築いてきた2日間でした。1日めが終わる時は泊まりできている刑事に「この辺で美味しいお店リスト」まで手書きで書いて渡してあげたくらいです。お互いにちょっとした親近感はあったのですが、ここで絶対に対峙してしまうんですよ。

「う〜〜ん、でもね、それやったら岡本さん、起訴されるかもしれないですよ……」

そうなんですよ。
警察ってね、検察の顔を伺いながら取り調べするんです。取り調べの内容が良くないと「もっかいちゃんと調べろ!」と検察に言われて、また東京に来なければいけなくなる。
刑事的には「この岡本ってやつ悪いやつやないから不起訴でええんちゃうか」と思っていても、反省の弁が取れないと検察から起訴するぞって圧力がかかる。そうなると手続きやなんやかんや面倒なんですって。知らんけど。

 

「でもね、刑事さん。こっちも取材に基づいて書いてるから、分かりはりますよねえ? そんなん軽々しく『間違いでした』なんて言えませんよ…」

 

で、結局この時は検事から「やり直せ!」と言われたそうで、兵庫県警の刑事さんはまた神田警察署へ来たんですよね。
2回めの時は会長の「できれば謝って」というメールもあり、反省できるところは反省しときました。別に起訴されて裁判になってぶち込まれたって良かったんですが、周囲が刑事事件を怖がっていたので、さすがに独りよがりではいかんかなと思ったんです。

 

結果は不起訴。で、和解。
あの時の刑事さんとは二度と会うことはありませんでした。

いろいろあったことをかなり端折って書いていますけれど、事情聴取ってそんなもんです。

最後に話したことをまとめた文章をそのでっかいワープロからプリントアウトするんですよ。

で、その紙に書いてあることを刑事さんが読み上げながら、「そこは違う」って箇所をまた打ちなおしてプリントアウトする。それを繰り返して最終的な調書を作っていくわけです。

テレビの取り調べみたいに胸ぐらを掴まれることもないし、暴言を吐かれることは一切ありません。あんなのは戦前の話ではないですか?(笑)

ただ、
刑事が反省を促してくるシーンは本当にウザいです。慣れてない人だと口論になるでしょうね。

しかしお前はよく事細かに覚えているな、と思うでしょ? ははは、私がこんな面白いことを録音してないと思います?