【新連載】ハロプロ漫才をやっている僕たちがどうやったら売れるのか?|夏わかめ・三木田(ボケ担当)

【新連載】ハロプロ漫才をやっている僕たちがどうやったら売れるのか?|夏わかめ・三木田(ボケ担当)

皆さまこんばんは。夏わかめの三木田と申します。

知らない方が大多数だと思うので自己紹介させて頂きますが、わたくし「夏わかめ」というコンビで漫才をしている芸人でございます。所属事務所は無くフリーで活動しておりまして、まぁフリーと言えば聞こえはいいが実体は単なる根無し草、いつか光を浴びる日を夢見て足掻く、いわば地下漫才師でございます。

 

ハロプロ漫才の夏わかめ単独公演盗撮『ボク、チム9なんです』

 

さて、芸で身を立てたいと願う者なら常に気にかかるのが、「売れる、売れない」の問題。売れなきゃ芸人なんて人権すらありませんから、どいつもこいつも売れたいと思っているわけですが、これが難しい。資格もなく名乗れるこの商売、どこがスタートでどこがゴールなのか、いまいちよく分からないのです。こんな体たらくで、いったい、俺たちは売れるのか? もういいかげん、バイト先のレジ金を抜く生活にはうんざりです。

「夏わかめ、というコンビ名はBerryz工房の名曲から取ってまして、あの『ファイティングポーズはダテじゃない』のカップリングで、瑞々しい夏の情景を描いた傑作なんですが、これからくる夏は輝かしい未来で、わかめが足に絡む、つまりささいなことで悩むことはあるけど、これから楽しい夏が待っているんだよ、という希望に満ち溢れたテーマ性に僕らも共感して、この精神でやっていこうと……」

っていう自己紹介をよくやってるんですけど、これが、通じた試しがない。だいたい皆さんこの時点で既に欠伸されてますね。僕25才まで引きこもりをしてたから気づかなかったんですけど、まずBerryz工房が通じないんですね。まずハロプロの説明からしなければいけない。知らん奴らが知らんグループの知らん曲について喋ってるという図式になっているらしく、もうこの時点で、売れるわけない。自分らの説明にさらに説明が要る奴ら、単純にめんどくさい。

そんな夏わかめですから得意とするのもハロプロ漫才で、Berryz工房のみならず、やれモーニング娘。がどうだJuice=Juiceがどうだ、果てはカントリーだこぶしファクトリーだと当たり前のように飛び交う漫才なんですが、これがだいたい通じない。ウケるウケないの前に「知らない」と言われる始末、僕らの十八番で℃-uteと左翼を絡めたネタがあるんですが、どうも見る者を非常に選ぶ漫才のようで、そんな奴ら、売れるわけない。腕もないのに客を選んでいる場合ではない。

 

そうすると、どうすればいいのか。

 

売れる為には賞レースを獲るのが一番の近道ですが、わかる人にはわかるハロプロ漫才で、M-1を勝ち抜けるのだろうか。上方漫才大賞を貰えるのだろうか? 全くイメージが湧きませんが、そもそもハロプロ自体が売れてないのに、ハロプロ漫才が売れるなんてことありうるのでしょうか?

あらかじめ、賞レースの審査員を全員ハロプロオタクに洗脳するというのはどうだろうか。審査員の家に忍び込んで、寝ている隙にヘッドホンを装着、スピードラーニングならぬスピードハロプリングでうまいこといかないだろうか。ハロプロオタクは身内びいきがすごいから、きっと賞レースでも無理やり勝たせてくれるに違いありません。審査員どもが二言目には愛がどうの地球がどうのとか言い出すアホになってしまうでしょうが、それは我々が売れる為には仕方ないことです。

いや、他人をパーにするのはよくないな。ハロオタということは人生台無しということですから、人の親を泣かせるようなことはできません。

やはり、ハロプロじゃない漫才をすべきなのでしょうか。ハロプロ以外の好きなもの、となるとアース・ウインド・アンド・ファイアー漫才なんてどうでしょう、どうも~モーリス・ホワイトで~す、フィリップ・ベイリーで~す、今日も裏声出してますけどもね~とか言って……。いや、これも非常に人を選ぶ気がします。また審査員をアースオタに洗脳しなければなりませんし、そしたら愛がどうの地球がどうの言い出すだろうし、何も変わりません。

 

そもそもネタの問題でもないかもしれません。しかし真っ当に腕を磨くために練習というのは嫌ですし、できれば何の努力もせずに売れたい。そうなると、道端で助けた老人が実は……という本宮ひろ志パターンに賭けるしかないのでしょうか。幸い売れてませんから暇は腐るほどあるし、毎日そのへんをぶらぶら歩くことは苦じゃないのですが、ただでさえ多い職務質問がさらに増えるのは億劫です。

行きがかりで抱いた女が実は……という島耕作パターンはどうでしょうか。しかしただでさえハロプロオタクというだけで女にモテず抱ける女が限られているのに、その相手が女社長である確率なんてあまりに天文学的な数字。ここにきてもやはりハロプロが足を引っ張ります。

もういっそ、僕がハロプロに入ってしまうというのどうでしょうか。漫才はとりあえず置いといて、まずは歌やダンスを頑張り、それから自分の好きなことへ進む。ご存じ田村芽実や工藤遥、福田花音のパターンですね。まずはアイドルとして身を立てて狂信者を獲得、そこから漫才師として売れていく。幸い歌やダンスには自信がありますし、おでここそ広いですが割と可愛い顔をしています、これはいける!……いやそもそもハロプロが売れてないからハロプロ漫才がウケないんだった、また事態は堂々巡りです。

やはりハロプロがどうとか言ってるからダメなんだろうか? 結局なぜかハロプロの話してしまったし……。自分の引き出しの無さに、うんざりします。

もう考えれば考えるほど売れる為の道筋が見つけられず絶望していますが、こんな僕でも何とか生きています。お仕事ください。何でもやります。よろしくお願いします。

 

三木田 武大
フリーの地下漫才師「夏わかめ」のボケ担当。大学の進級に失敗、就活にも失敗した結果、「じゃあこれでいいや」という気持ちで芸人を志す。鼻につくインテリさが持ち味。ハロプロをこよなく愛し、ハロプロ漫才を得意とする。