自分を神だと信じて疑わないテレビの人たち

自分を神だと信じて疑わないテレビの人たち

ブログを始めたら意外にも好意的なメッセージが多かったので、ちょっと調子に乗っています岡本タブー郎です。

さて、ちょっとテレビの人たちについて書いてみたいなと思います。
テレビの人には間違いなくサイコパスが混じっていると思います。
私はそのサイコパスたちから結構失礼な思いをさせられています。

まず、どうしても忘れられないのはフジテレビのスーパーニュース(安藤優子が以前にやっていた夕方のニュース番組)のディレクター・H氏です。2015年当時、私は怒り狂ってTwitterを連投しまくったので検索したら出てくると思います。この人は本当に酷かった。

当時、私は本を出版したんですよ。交通事故で片脚を失った女の子が、車椅子バスケの選手になるという自叙伝です。今回は名前を出しませんが、彼女はきっと3年後の大きな大会に日本代表として出場するでしょう。そんな彼女の本を紹介してもらいつつドキュメンタリー番組として撮って頂けませんか? と色んなテレビ局にオファーを出しました。いくつか返答もあったのですが、一番手を上げるのが早かったスーパーニュースさんにまずはやってもらうということになったんです。ニュースの合間に5分のドキュメンタリーを流してくれるという約束でした。

2014年の11月でした。

熊本で国体があり、そこに彼女が陸上選手として出場する機会があり、現地で初めてH氏と会いましょうということになりました。しかし色んな行き違いがあり、試合が始まる前に挨拶を交わすことができませんでした。H氏は「先に撮影だけ進めさせてもらいます」と連絡をよこし、試合中の彼女を至近距離で撮影し始めたのです。その距離があまりにも近く、他の選手への妨害ともなるので、なんと場内アナウンスで注意をされたんですよ。これから試合が始まる選手が不安になるような取材……嫌な予感がしました。
ふと客席を見ると、彼女のお母さんにまでカメラが密着しています。確かお母さんはテレビに映りたくないとおっしゃっていたので焦りました。勝手にこんなことをするなんて、やはりテレビは油断しては駄目だと痛感しました。

試合が終わり、H氏に会うことになりました。

待ち合わせ場所に来た彼の態度は非常に居丈高なものでした。私よりも背が低いのに反り返り、私を見下すように腹を突き出して歩いて来たのです! いやね、これ冗談と思うでしょ? マジなんですよ、マジだからどうしようもないんですよ。

年齢は30ちょいくらいですかねえ。名前が出てこないですが若手個性派俳優の目が細いナントカって人に似ていました。茶髪で、茶色いブルゾンを着ていました。あまりにもイメージと違ったので「ADなのかな?」と思ったほどです。そのH氏が挨拶もそこそこにこう言ったんですよ。

「正直、今日の競技だけじゃ弱いっすね」
「視聴者を泣かせる話が欲しい」

はい出ましたよ。こういうのって彼らの常套句なんでしょうか。言うだろうな〜って思ったら本当に言ったんです。まあしかし、これは私も気持ちは分かります。その辺はテレビも雑誌も似たようなもので、障害にまつわるドラマチックな話を欲しがることは良くあることです。だからH氏はもう少し彼女を密着させろと言うわけです。家にも行きたいし、入院していた病院にも行きたい、事故現場にも行きたいと言うのです。欲しがるなあ、コイツ。第一印象が最悪ですから、心の中ではすでにコイツ呼ばわりでした。じゃあ彼女たちを説得するしか無いのかなあ……そう思いかけた時、H氏が放ったひと言に私はプツーーーンとキレました。

「それから本の宣伝は本編ではちょっと難しいッス。フジテレビのホームページでだったらいくらでも宣伝しますけど」

私は怒りがMAXになると血管に血が巡り、ものすごく頭の回転が早くなります。Hが言い終わるか終わらない内に、

「じゃ、やめましょ。今回の取材はなかったことに」

と言いました。一瞬止まるH、夕日の中でニコニコしている私。さあHよ、君はどう出るつもりなんだね?

「や……やめるって、テレビッスよぉ!? 何百万人が見るテレビに出なくて、いいんすかぁ!?」

Hは焦って本性をむき出しにしてきました。俺様はテレビなんだ。テレビに歯向かうとはオマエはどういう了見だ! と言わんばかりです。私はゆっくりと、彼が分かるように説明しました。

「あのね、私はこの書籍の編集長なの。この本にまつわる全てのことが自分一人で決定できるの。でも、君はそうじゃないよね? 誰か上の人にお伺いを立てないと決定できないでしょ? 私は編集長。君はディレクター。立場が違うんだよね。釣り合ってない。本の宣伝が無理なら番組には出ない。じゃ、失礼するよ」

私が駐車場の方へ歩いて行こうとすると、Hは小走りで私の正面に立ちました。

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ。それは困る!」

困るのは当然でした。彼は東京から熊本まで旅費を使って来ている上に、地元のテレビ局から何人もクルーを呼んで撮影していたわけですから「予算」が発生してしまっているのです。私はそれを分かってて断ろうとしているし、Hが引き下がれないことも想定内でした。

「か、必ず、載せるように、上に掛け合いますから!」

こうしてスーパーニュースの密着取材が始まったわけですが、思い出すことも憚られるほど最悪な内容でした。普段呼んでいないアダ名でお母さんを呼べだとか、ここでこういう台詞を言えだとか、事故現場で悲しい顔をしろだとか、彼はものを作るべき人間ではないということだけがはっきりしていました。挙句の果てにはこう言ったんです。

「君はもっと俺にぶつかってきてくれないといけない。僕に本当の顔を見せるんだ!」

Hがあまりにも仕事ができない上に、ビジュアルが気持ち悪いから女の子の顔がどんどん曇ってきているのに、それは取材されている側の問題だと抜かしたのです。これには私も噴き出しました。

昨日のブログにも書いたように私はエロ本の編集者でした。
下っ端の編集者の仕事って何か知っていますか?
早朝に寝起きのまま最高に機嫌が悪い女優たちと無理矢理にでも会話をし、
カメラマンが撮影を始める最初の1枚までに笑顔を引き出すことなんです。
着替えやメイクの間、あれやこれやと機嫌を取って顔を柔和にしていく。
これが基本中の基本で、一番難しい仕事なんですよ。
そこを端折っといて「ぶつかってこい」とは、コイツなにも分かってねえなと思いました。
そしてそこで出た台詞があの名言です(自分で言っちゃうけど)。

 

「Hさん、話をしなよ、人間とさ」

 

私がこの話をツイッターで書きまくった時、知人を通じてもう書くのを止めてもらえないか的な話が来ました。結局、Hは私とも直接話をすることを拒んだようです。今、彼がどうしているのかは知らないけれど、もの作りの現場に居ないことを祈っています。

結局、放送は2月の中旬に東京ローカルで放送されました。
しかも知らせてきたのは当日でした。
本の売上には気持ちが良いほど関係しませんでした。
テレビに出たからって何かが売れる時代ではないんですよね。

テレビに出ることはメリットよりもデメリットの方が大きいのです。
それを知らないのは今日も庶民を見下している“神様”だけなのです。

 

 

 

長くなってしまったので他の番組の話はまた。