新しい時代に無くなるものはきっと「テレビ」 平成時代に雑誌が駆逐されたように

新しい時代に無くなるものはきっと「テレビ」 平成時代に雑誌が駆逐されたように

近年、テレビなんてものをほとんど見なくなった人が多いのではないでしょうか。私も激減しました。とにかくYouTubeを見ることが忙しくって……。なぜ、YouTubeにシフトしたかと言いますと、いろいろな理由があるので詳細には書きませんが、「欲しい情報」がある時にテレビほど検索機能に優れていないメディアは無いからなんです。

 

なぜだか分からないけどテレビは地上波のチャンネル数が少ないにもかかわらず、同じ時間帯に同じような番組を流すという傾向があります。向こう側から「この時間帯はおまえらはこれを見よ」とプログラムを指図されるわけです。テレビしか無い時代だったらそれも仕方がない(バレないというか)でしょうが、YouTubeもAmazonもNetflixもある時代にこんな多様性を無視した旧態依然とした箱を見ている時間なんて私にはありません。

 

特に若い世代からはテレビという権威は瓦解してきています。あとはもう時間の問題で、団塊の世代がゴッソリ死んだらテレビの終わりが本格的にやって来るのではないでしょうか。「あ~~そういえば平成ってテレビ見てたよね~~」って、令和の終わりに振り返ることになるのでしょう。今のまま、多チャンネル化しなければ、の話ですが。

 

そうは言っても、未だにまだテレビは力を持っています。大衆の興味を引くという意味合いにおいては「トレンド」を作ることができるメディアですから、そこに広告を出したい人々が集まってきている間は安泰と言えるでしょう。そのため、私も「仕事のため」にテレビを見ています。マスが今何に興味を示しているかを知るためにです。

 

ただ、仕事とはいえ、これが非常に辛い作業です。YouTubeという自由な世界に生きていますと、テレビは不自由感が半端ない。毎朝目に入ってくる小倉智昭、土曜日はどの時間帯につけても久本雅美を見かけるのは何の嫌がらせなのかと思います。日曜日なんてクソほどつまらない番組ばかり。明日から仕事が始まるサラリーマンに少しは為になる話を流そうとは思わないのでしょうか。

 

みなさん、時間がありません。無限にあると思っている旧世代に比べて、若い世代には考えなければいけないことがたくさんあります。45歳になればリストラされ、終身雇用はなくなり、退職金さえもらえない時代が既に始まっています。遊んでいる暇があるのなら「儲け口」を確保しなければいけない。悠長にテレビなんか見ていられないんですよ。

 

必然的に人々からは「見たいものだけを見たい」という欲求が出てきます。岩盤規制によってガッチガチに守られているテレビにとって最も苦手とすることです。彼らはフレキシブルに対応することが出来ない。その隙間を突いてきたのがAmazonプライム・ビデオやNetflixやabemaTVです。サブスクリプションモデルでテレビでは絶対に出来ないことをやってのけています。例えばAmazonでやっていた「戦闘車」なんて今の地上波では不可能中の不可能でしょう。

 

abemaTVも大健闘していると私的には思うのですが、如何せんどのチャンネルを見てもテレ朝臭がするんですよね(笑)。藤田さんはテレ朝だけで満足せず、他局や映像クリエイター・作家・編集者・詩人などと手を組んだほうがいいのではないでしょうか。abemaTVを見るたびにいつもそこを残念に思います。やってることはマジですごいと思うのですが。

 

そういう意味で、平成はのんびりとした時代でした。既得権益を持ってる奴らが必ず勝つという図式が成立していました。でも、2010年代からはイノベーションが起きています。新しい技術を利用することで誰が勝ち上がるか分からない時代に突入しました。それが「令和」なのです。

 

平成は雑誌が終わりました。それはもうコテンパンに、のんびりやっていた分野がぶっ壊されました。コンテンツはデジタルに吸収され、紙という媒体が“本来あるべき数”にまで減らされていったのです。無くなることはないでしょうが、適正な数に「最適化」されている最中です。

 

令和はテレビが終わる時代だと思います。それは本当にあっという間、時間の問題でしょう。見る側のニーズに応えられないばかりか、切り札であったアーカイブも使い果たそうとしています。私が働いて生活していた雑誌業界は、液晶画面に仕事を奪われました。音楽業界も円盤から、液晶画面に仕事を奪われました。スティーブ・ジョブズの登場とともに。その駆逐の勢いはそこで止まったわけではなく、どんどんどんどんいろんなものを蝕んでいるのです。

 

次はテレビです。雑誌と同じくテレビという箱は無くならないでしょうが、地上波を見られるテレビは最適化され激減するでしょう。

 

余談ですが、芸能人がロケをする番組で最近は、ゴープロではなくOSMO Pocketを持たせるケースが増えたように思います。こちらの方が手ブレを起こしませんし、テレビでも耐えうる画質と判断されたのでしょう。YouTubeで大ブームを起こした本製品が起用されたことに、細かいことですが感慨深いものがありました。

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