渡辺篤史の「建もの探訪」を楽しく見るコツ その2

渡辺篤史の「建もの探訪」を楽しく見るコツ その2

渡辺篤史の「建もの探訪」を楽しく見るコツ その1

「建もの探訪」については語りたいことが多く、前回では概要しかお伝えできなかったので、もう少し書き足しておきたいと思います。

この番組に出てくる家族は不思議な人が多く、私は毎回「なんでそんな家作っちゃったの!?」とテレビの前で独り言を言っていることが多々有ります。

そりゃあ、「テレビで自分の家を自慢しようと出てくる」人々ですから変な人が多いとは思いますが、それにしても「?」なパターンが多いんですよね。もちろん、篤史は全く触れようともしません。それがまた逆にミステリアスを演出しているんですよね。

 

この番組を見ていて最大の疑問が、
「なんで仕切りのない家を作るの?」
ってことなんですよね。

私なんかは家ってのはいくつ部屋があるのか、隠れる所があるか、一人になれる空間があるかってのが醍醐味だと思って観ているんですが、番組に出てくる若い夫婦に多いのが「部屋のない家」なんですよね。

「家族を感じられる」

と篤史は言いますが、嘘つけよ、と思って観ています。子どもが小さいうちは、でっかい1LDKみたいな間取りもいいでしょう。
でも、彼らすぐに大きくなりますよ? 子どものための個室をまったく作らない家ってどうなんでしょうか。完全なる親のエゴを感じてしまうんですよね。中学生になってオナニーも出来ない家って窮屈ですよね。

たいてい、そういう家主に限って、
「家族が、家族が、家族ガァーーーーーー」
と発言します。

男は、「家族、家族」と言ってる男があまり好きではありません。信用もしません。内心「どうせ飽きるんだろ?」と思っています。もちろん、私の偏見ですが。

昔、景気が良かった頃、でっかい家を建てて家族自慢してたお父さんが、晩年になって熟年離婚し家族が出ていき、独りででっかい家に住むのが辛くて売りに出したら二束三文に買い叩かれた……という取材をしたことがあるので、「家族、家族」言ってても裏切られることがあるんだなあというのが私の感想です。

話がそれましたが、お父さんお母さんお願いします、子どもに個室を与えてあげて下さい。観ていて息苦しいです。

 

あと、
風呂をガラス張りに作る人、外から見えるように作る人も不思議でなりません。

脱衣場から風呂が丸見えの浴室を作る人って、たいてい「狭いから広く感じるようにガラス張りにした」という理由を述べます。確かに狭小住宅の知恵なんでしょうね。
しかし、狭小だからこそ脱衣場にトイレも兼ね備えている場合も多く、「え? じゃあウンコ漏れそうになった時に誰かが風呂に入ってたら、お互い丸見えなわけ?」と想像を掻き立てられます。
若いカップルなら、それも刺激があって良いんでしょうが、家族でそれはマジでキツいですね。

それと、屋上とか、外から絶対見えるでしょ? って風呂を作る人は、単純に露出狂なんでしょうか。それとも奥さんの裸を他人に覗かせたい変態なんでしょうか。私はマジでこの辺りの心理が分からないんですよね。
「開放的な風呂が素敵」って篤史は褒めてるけど、彼も内心「ないわ〜、これ〜」と思っているに違いないのです。

私の友人は風呂に入ってシャンプーをしていたら、ニュ〜〜〜っと風呂の小窓から携帯を持っていた手が伸びてきて、
「カシャー!」
と撮影されたことがあり、近所の奴が犯人でした。これは賃貸のケースでしたが、美人の奥さんを狙っての犯行でした。こういうバカが寄ってこない家を作ることこそが「家族を大切にする」ということではないのでしょうか?

 

狭小住宅をアイデアいっぱいに作るのも、番組的には面白いのですが、実際生活する上ではけっこう悲惨なのではないかと思います。

都会では、似たような家が建売りされていて、それを買う人が多数を占めていると思うのですが、この番組に出てくるのは「何とか目立つような家を建ててやる」と息巻く人たちばかりなので、子どもたちもそうだけど、ある意味自分たちも被害者になっている人が多いと思います。

例えば、ビルとビルの間に、えんぴつみたいな家を建てて、アイデアで乗り切ろうとする家主がたま〜に出てきますが、メインのリビングが幅2メートルしかない家では子どもの個室なんか夢のまた夢。おそらく、学校で虐められると思います。

また、どちらかのビルが老朽化により建て壊しになり、跡地が住宅地にでもなったら、どうするおつもりでしょう。今までは「ビルの間に何とか頑張って建てた家」というアッピールが出来ていましたが、隣が宅地になったら「なぜだかマッチ棒みたいに細い家」とひそひそ話をされることうけ合いです。「お金なかったんだね、きっと」と口汚い小学生たちは歌を作るでしょう。

狭小住宅は本当に考えものです。

 

台所も重要です。
この番組は真ん中のCMがあけると食事シーンを必ず挟むのですが、「この家の設計士をお招きしてのランチ」とか「近くに住む設計士の弟さんを呼んでランチ」とか、やたらと家族と設計士が長いお付き合いをしていますよということをアッピールしてきます。

「そない仲良くなる!? 設計士と??」

ビールを片手にまたもや独りごちます。
出版社時代に裁判をいくつかやりましたが、弁護士をランチに呼ぶような気持ちを私は一度も持ったことがありません。
京都のデルタという自動車教習所に通っていた頃、私があまりにも運転がうまいので教官が「岡本くんの家に遊びに行きたい」と言って、本当に遊びに来たことはありましたが、こんなことは一生に何度もありません。
しかし、この番組に出てくる家族は7割方設計士をお招きするんですから、建売りじゃない家を建てるってのはさぞかし関わった人々との連帯感が生まれるんでしょうね。羨ましいなあ(鼻くそホジホジ)。

「設計士と何をお話になりましたか?」

篤史のこの台詞が飛び出すのは毎回台所のシーンです。「私の背丈に合わせてもらって」「オールステンレスがいい、と」「家族が見渡せるようなキッチンを」などと家の人は答えます。

岡本調べですが、対面型のキッチンを作りたがる家族は、たいていランチシーンでパスタかカレーを作っているような気がします。「対面型」というキーワードに引っ張られて、ぽわ〜となり、ランチ=洋食となる人が多いようですね。しかも、ミートソースが多い。なぜなんでしょうか? 幸せを見せびらかすにはミートソースが最適なんでしょうか。

壁側に向けたキッチンを持っている家族は和食が出てくる印象がありますね。新しい家を作るのに、壁に向けて台所を作るのは家主が古風な考え方を持っているか、親の意見が反映されている場合が多いのではないかと勝手に想像します。ですから、食事=和食=しっかり栄養、と考える思考回路は分からなくもないですね。あと、いびつな形の和食器に盛りがちです。

アイランド型のキッチンを持っている人は、やたらと凝った食事を出すイメージがあります。まあ、アイランドを作ろうって意識からそれが垣間見えますよね。その行き着く所は「うどん」です。アイランドの上で粉をふって、足で踏んで、うどんを作ります。私みたいな神経質な人間は、うどんの味より、粉をちゃんと掃除出来ているのか、そこが気になります。家で麺ものを作る人や唐揚げを作る人は、絶対にオープンなキッチンでやっちゃダメ! と思ってしまうのですが……。

 

そんなこんなで、この番組についてはまだ語り足りません。おかしな点がたっくさんあるのです。

第三弾へ続きます(笑)。