あなたは隠し撮りをしたいですか? 日本全国を歩いて撮ってきた私が今だから話せる盗撮物語

あなたは隠し撮りをしたいですか? 日本全国を歩いて撮ってきた私が今だから話せる盗撮物語

みなさんは「隠し撮りをしたい!」って思うことが時々ありますよね?

たとえば、旦那の浮気を疑っているとか、彼女がたちんぼをしているかもしれないとか、ババアの銀行口座の暗証番号をなんとか盗みたいとか、どうしても隠し撮りじゃないと得られないものというのが世の中にはあります。

そこで、これから『Amazonで買える盗撮カメラ』というものを少し紹介してみたいと思います。

 

こんなに安いぞ盗撮カメラ!

・ボールペン型カメラ

一番ベタなやつですね。キャップを外すとUSB端子が出てきて、撮った映像を直接パソコンに取り込める便利さがありますが、しかしこれは大いにバレることがあります。普通の服にボールペン挿してる人ってなかなかいないので、んまあスーツか作業着を着ないといけないことになります。

・メガネ型カメラ

最近はメガネ型もいいものが揃いました。以前はつるの部分がぶっとくて、明らかに怪しいものばかりでしたが、どんどんそのあたりがスリムになっています。ただ、私は目が悪いので「度が入る」メガネ型カメラでないと全く役に立ちません(笑)。

・車のキー型カメラ

これもどんどん良くなってきましたが、基本的に机や棚にさりげなく置いておいて撮るものなので、自分がいない間に何かを撮るのには向いていません。打ち合わせで、テーブルに置いておいて話の内容を録るっていう用途にはかなり自然だと思います。

・モバイルバッテリー型カメラ

これはなかなか使えますよ。忘れたふりして置いておいても変じゃないです。スマホと一緒に持ち歩いて、上辺にカメラがある場合があるので、寝かせて撮れるわけです。素人の方は、まずこれから始めてみることをオススメします。

・時計型カメラ

基本中の基本の盗撮カメラです。が、素人の方にはオススメしません。カメラが2時10分の方向に付いていることが多く、水平に撮ることが非常に難しい道具です。あと、電源オンオフがとても分かりづらいので、目線で相手に不審に思われる可能性が高いです。

 

私がこれらで何をしてきたか

2010年前後から、外国人労働者や不法就労外国人をテーマにして、日本各地を回っていた私が、必ず取材で持ち歩いていた道具たちです。撮れたものを誌面に使うわけではなくて、どうしても現場で起きたことを事細かく覚えていられないので、記録用に使用していました。体中に隠しカメラを仕込んでいますとね、ロボコップになった気分ですよ。

それから、やはりひとつひとつの製品としてのクオリティはそんなに高くないので、「撮れてなかった!」ということが起きないように、二重にも三重にも保険をかけていたわけです。

 

特に、不法就労外国人取材で避けては通れないのは、売春の現場にて、です。

 

オーバーステイで働くには表の仕事はなかなかできません。彼ら彼女らは、それで闇へ潜るわけですが、女性の場合は身体を売るという行為に足を入れることがままあります。その女性たちの生態を取材するために私たちも闇へ潜るわけですが、正直、盗撮していなかったらリアルが何も書けません。

 

裏風俗について真面目に語ります

私が雑誌で風俗担当になってから、もう15年は余裕で過ぎ去っていったでしょうか。一度この世界に足を踏み入れてしまうと、いい意味でも、悪い意味でも、目が肥えてしまいます。何でもかんでも社会を風俗をもってして斬ってしまいがちなのは、各雑誌の風俗担当あるあるでしょう。

私の場合は、先輩の三橋さんから受け継ぐ形で、一番最初は『体験取材』から始まりました。説明するまでもないとは思いますが、記者や編集者が客という体で女の子からサービスを受けて「最高の素股でした!」とか「パネマジ無し!」とか「ナントカちゃんのDKからのNFが絶品!」とか書く、アレですね。それをカメラマンが撮ってくれる場合もありますし、自分でハメ撮り風に工夫して撮ってくるという場合もあります。雑誌が売れなくなっていった2010年前後は、カメラマンを雇う余裕もなかったので、自分で3台位のカメラを駆使して体験取材していました(まさかグラビア撮影で大御所たちに教わった技がここで活かされるとは!)。

一番初めは池袋のデリヘルだったかなあ。最初に名鑑風のニコパチ写真を撮影して、「じゃ…じゃあ、ボキ、客になるんでぇ…えへへ…普通にプレーしてくだしゃい」などと超キモいことを言い、「体験」します。店は雑誌用にかなり綺麗な子を取材に出してくるので、いつも若くて美人な風俗嬢さんたちとエッチな事が出来るわけですが、私がいたグラビア雑誌にはその時日本で大活躍中のグラビアアイドルやAV女優が出ていたので、「なんだ、やっぱり風俗嬢は一段落ちるな」とは絶対に思わせないように実物よりも1.8倍くらいで綺麗に撮ることが命題で、さすがにそこだけは緊張していました。

また、これは人によると思いますが、「東京くんだりまでわざわざ出てきて、渋谷の雑居ビルの一室で寝坊した風俗嬢を重い機材と他の客といっしょに待合室で待たされ、横柄な店員に『何時までスカ? 予約入ってんスヨ』などと詰問されている自分」に耐えられなくなって田舎へ帰るか転職しちゃう人もけっこういました。ま…まあ、風俗店に心の動揺皆無で普通に入っていけるようになるって、数をこなさないと無理でしょうから、こういうのを気にされる方はキツイかもです。私は「10人ぐらいタバコ吸ってる風俗嬢のいる待合室で、その中の一人の子を全員が見る中で脱がせて名鑑を撮る」こともあったりと、楽しい日々を送らせて頂いていました。

 

風俗取材は大きく2つに分かれます

それは、まず私がこれまでやってきた「体験取材」や「名鑑撮影」などをメインにする『表』の仕事と、看板を出せない闇のお店を取材し、そのルポを書くという『裏』の仕事です。

前者はまがりなりにも一応看板を出して表として営業しているお店が相手です。昔ながらのソープ(ちなみにソープは裸の写真が出せません)とか、きちんと届け出しているデリヘルとか、「一応」法律に則って経済活動をしている風俗店です。これを私たちは『表』と呼びます。

一方、後者は看板も出せない、噂を元に探していく、地元民しか知らないような店が取材対象です。クチコミレベルで営業している店、これをいわゆる『裏』または『裏風俗』と呼びます。

 

私は、2000年代後半から、『表』にいっさい興味がなくなってしまって、そういった仕事はもうアウトソーシングしていました(むしろその方が制作費が安いっていう不思議な現象)。『裏風俗』の取材ばかりやっていました。

 

どうしてそちらへ傾倒していったのか。

それには明確な答えというか、きっかけがありました。

 

読者が本当に見たいものとは?

その頃、私が日々頑張っていた風俗取材で、女の子たちにアンケートを取る時間があるのですが、その中に「この仕事をやるようになったきっかけは?」という、本番では絶対に使用しない項目がありました。いわゆる自分たちだけが“噛みしめる用”の設問なんですが、この質問の答えに「エッチなことが好きだから」とか「お金がほしいから」というものが急激に増えていった時期があったんですね。それまでは、なんか言葉を濁したりとか、曖昧な答えなどが返ってきて「察する」という行為があったわけなんですが、好きだからやってるという答えに対して自分はもうリアクションが取れなかったんですよね。

 

好きでエッチな事やってお金をもらっている人を、わざわざ取材する意味ってあるのかな……?

 

今考えると、これもまあ、なんと偏ったものの考え方でしょうか(笑)。当時の比率としては2割ほどだった『裏風俗』の刺激が強すぎて、あろうことか私は風俗取材に「意味」を求めてしまったのです。楽しくやってる人を取材して「楽しかったです」は取材じゃない、そんな本はいつか潰れる、読者の見たいものはそこじゃないはずだ、俺はもっと、人々が求めるものを探しに行かなくちゃいけないんだ、うおお! ……と、思っちゃったんですよ。ちなみにほとんどの本は潰れました。

 

そうして私は『裏風俗』というジャンルにどんどんのめり込んでしまい、日本全国を旅するようになりました。

 

裏風俗から外国人問題に入っていった

そんな中、2010年頃だったと思いますが、トヨタ自動車がリーマン・ショックで切り捨てた外国人労働者であるブラジル人が故郷にも帰れなくて、固まって住んでいるという団地に取材に行った時が決定的でした。お恥ずかしいことに、その時ようやく私は目が覚めたというか、もはやこの国の末端と言われる場所は、外国人無しでは成立さえしないんだという現実を目の当たりにしてしまったのです。

 

その取材が終わる頃には、彼らの「供給先」にも目が行き、東アジア〜東南アジア〜南アジア〜中東、ロシア、南米などを取材することになります。

 

この2019年4月には外国人労働者の雇用受け入れが拡大されました。正直言って、こんなザルみたいな法律がよく通ったなと思います。彼らの力を借りなければ先行きが成り立たないことは周知の事実ですが、しかし、これほどまでに現場を見ていない内容はすごすぎます。これを作った人々は、まだ日本が彼らからみたら「あこがれの国・ジパング」だとでも思っているのでしょうか。

かつて「日本人街」と言われたタイのバンコク・タニヤ通りでは、10年前なら私たちがそこを歩くだけで「おにーさん、みるだけタダー!」「あなたー、どこいくー!」と女の子から賑やかに声をかけられたものです。しかし、現実はもう違います。今は「ニーハオー!」が一番最初で、次が「オッパー!」です。その2つが通じなくて最後に「あ、にほんじん? しゃちょー!」という順番です。なんの順番でしょうか。そう、彼女たちから見て「お金を持っている順」です。

海外から帰ってきたばかりなので、これだけははっきりと言えます。今や日本は、世界からそんなには相手にされていません。若い世代なんかは「あー、あるよね日本って国」ってなもんです。日本人はアジアを馬鹿にする傾向がありますが、そうやって偉そうに海外を闊歩していたら、後ろからトンカチで思いっきりガチーーーン! と殴られますよ。誰も憧れていない国に、なぜ行こうと思うのでしょうか? 日本人は外国人労働者に対して「こんな安い給料でよく来てくれたね」「ごめんね、肉体労働ばかりで」と労ってあげて欲しいくらいです。

外国人だから素行が悪い、増えたら治安が悪くなるという考え方は本当にヤバいです。外国人だってほとんどが真面目な普通の人で、中には悪い奴もいます。それは、日本人とまったく同じです。私が願っているのは、何年か後に「あいつらが来たから仕事を奪われた!」とかいうデモが起きないで欲しいということです。アメリカとかイギリスで、そういった運動があることが報じられますが、「いや、仕事は取ってねえだろ!」と思いませんか。あれ、日本で起きたら本当に嫌です。

 

ちょっと話が逸れてしまいました。

 

実はここまでは、7月15日のメルマガで配信した「ほんの一部」なのですが、この続きはメルマガを購読してくれた方だけにお届けいたします。7月いっぱいまでに加入して頂いた方には1日分と15日分の両方をお送りいたします。

 

それでは!

メールマガジン

メルマガの購読はこちらか

BLACKザ・タブーのメールマガジンは毎月1日と15日に配信中。月額540円です。また、人気のあった記事をバックナンバーとしても購入することができます。