なんか最近好きになれない、阿佐ヶ谷人

なんか最近好きになれない、阿佐ヶ谷人

正月早々、阿佐ヶ谷の「うさぎや」にどら焼きを買いに行きました。10月にエンジンをオーバーホールしたバイクの習い運転も兼ねて、朝早く出かけたわけです。

 

 

阿佐ヶ谷には7~8年住んだでしょうか。

 

中央線の中でも一番ディープで異彩を放っており、飲み屋と薬局の数がすごくて、川端康成や大宅壮一、井伏鱒二、小林多喜二などの文士が住んだ町……として有名な場所です。駅前商店街のパールセンターはメディアでしばしば取り上げられ、爆笑問題が所属する事務所・タイタンも駅前に存在します。東京ばな奈も阿佐ヶ谷が発祥と言われています。

 

しかし、ここを離れてから数年、むしろ逆にそういうのを鼻にかけて他の中央線地域を下に見る阿佐ヶ谷の排他的な人種にも気付くことができました。とにかく、あそこの土着の人は排他的なんですよ。言うほど歴史のない町なのに。

 

東京ではよくあることですが、あそこも数軒の大地主が今も土地を牛耳っているところで、そのおこぼれを地元の不動産屋が頂いているという構図です。思い出しても不愉快になりますが、アパートを借りようとしたら「地主様があなたに面接してくださるって言うから、何日の何時に来なさい」と言われたんですよ。中◯不動産に。ちょっと意味分からんかったんですが、行ってみたら巨大な檜造りの家の玄関にヨボヨボの爺さんが出てきて、「今日はええ天気ですなあ…………」と言ったまま5分が過ぎ、はい終了でした。

 

「機嫌が良かったですね。あなた合格かもしれませんよ」

 

と◯杉不動産の店員。そのとおり『合格』にはなりましたが、なんとも気分の悪いものでした。その後も、毎月月末にその家に「支払い帳と現金」を持って家賃を払いに行くというシステムを強いられました。なんだろなあ……アノ時は「憧れの阿佐ヶ谷に住める」というワクワク感から、そういった失礼の数々を見過ごすことが出来たけど、今考えると清掃の行き届いた玄関の御影石につばを吐き、庭にウンコでもして帰ってくりゃ良かったと思います。俺らしく、なかったなと。

 

その後もまた引っ越す際、駐車場を借りる際、空き巣にあったときの隣近所、定食屋の左翼上がりのおっさんの説教、名曲喫茶の意味不明なルールなど……住んでてとても窮屈な気持ちがしてきて阿佐ヶ谷を出ました。特に、駅の南口にあった古くからあったお気に入りの珈琲屋がタワーマンションの建設によって立ち退かされた時、ああこりゃもうダメだと思ったものでした。好きだったのになあ、アコヒーダ。

 

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今日はたまたま、日本一美味いかもしれないと密かに思っていた「うさぎや」のニュースを見たので、久しぶりに行ってみるかと思い立っただけです。でも、バイクで駅北側のタイタンがある通りに入った時、以前より駐車禁止が厳しく取り締まられて、自転車やバイクが停められないようにロープが張り巡らされた光景を見て、「なんだかなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」と思ってしまいました。

 

 

うさぎやにはなぜか入り口に警備員がいて、その人がすんごい整理が下手なんです。店の中では二列で並んで下さーい!とか言うんだけど、左右どっちが先の人かも決まってないし、変なジジイに「あなたが1番なんだから詰めなさいよ」とか言われて、「はあ? どっちが先とか決まってないんですけど? アナタの方こそ入口の前で邪魔だから言われてるんですよ?」とあえて関西弁で低い声で言ってやりましたら「ああ、そうなの…」と不服そうに詰めていました。うさぎやの和菓子の買い方も、なんだか不自由さを感じます。なんかピンと空気が張り詰めていると言うか……よろしければ一度行ってみて下さい。

 

なんで、どら焼き1つ買うだけで、こんな嫌な思いをしなければいけないんだろう? もう阿佐ヶ谷なんて二度と行かない!

 

そんなわけで夜は土地が高くて硬い場所でカニを食べました。

 

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