上沼恵美子を降板させた関テレ・スタッフの仕事のできなさ具合

上沼恵美子を降板させた関テレ・スタッフの仕事のできなさ具合

25年も続いた看板番組『快傑えみちゃんねる』を、いとも簡単あっさりと打ち切った関テレの番組スタッフは「稀代のアホ」としか言いようがありません。

結果的にキングコング梶原みたいなクソ芸人がもしかしたら正しかったのかなあ? なんて思わせるような最期にしてしまったことは、功労者に対する侮辱でしかありません。梶原など、どんなことがあっても肩を持つべき芸人ではないということ。黒沢年男がブログ「クロちゃん」に書いたとおりです。

 

目上の人の軽口

関テレのスタッフがまず何がアホって、えみちゃんが「番組を良くしたいから、ダメなところがあったら言って」と歩み寄って来たときに、全部心の底を打ち明けて「こんな苦情が出てます」と言ってしまったことです。

いいですか?

上司や目上の人が「怒らないから、どう思ってるか言って。お互い、良くして行こうや」というのは、罠なんです。それに乗ってしまって、全てを語ってはダメなんです! 会社員もフリーランスも、上司や目上の人に、本当のことなんて言ってはいけません!

 

えみちゃんは、たまたま弱音が吐きたかっただけです。

 

梶原のせいでネットで自分が叩かれてるし、「あたし悪ないよなあ?」っていうつもりで、ちょっと愚痴りたかっただけなんです。それを真に受けたバカが「じゃあ、言わせてもらいますけど」と言わんでもいいことを言ってしまったんでしょうね。そんなことを腹の中で思ってる奴らなんかと、えみちゃんともあろう方が仕事をしたいと思うわけがありませんよ。

 

目上の人や上司が「良くしたい」というのは全てウソです。本当のことを言ってはいけないのです。あの人たちは自分のことしか考えておらず、若造に何を言われても自分を改めるつもりなんて、ありません。現に人気があるのだから、内々がどう思おうがお金を落としてくれるのはファンなのですから。完全なる罠です。

 

私が関テレスタッフだったらきっとこう言っていると思います。

 

「上沼さん、何を言うてはるんですか! 悪いのはぜ~~んぶ梶原ですよ! クソみたいなネットニュースが言ってることなんて気にする必要なんですよ。あいつらどうせ取材もせずに主婦かプータローに書かせてるコタツ記事なんですから。梶原がなーーーんにも面白い返しもできんと『パワハラや~(泣)』とか言うてるんがアホなんですよ。ケツの青い、しょーもない、顔もブサイクで、出てくるだけで不快な、つまらん、チンケな猿ですわ! 世間は上沼さんの気持ちええ悪口を求めてるんです! 黒沢年男さんが正しいですよ! えみちゃんバンザイ、えみちゃん大好き!!!」

 

ってね。

だって、今が関テレは一丸となるチャンスだったでしょうに!

 

モノマネしてたら……

私が中学校のときの話ですが、当時から私はムカつく教師のモノマネをして、裏で小馬鹿にしていました。いろんな教師のモノマネをしてみんなを楽しませ、「ビジーフォーより面白い!」と学校では評判でした。

ところがある日、ホームルームの時間に担任が今度の運動会の話をしているときに、ガラガラっと教室のドアが開き、校内で最も嫌われている美術教師が入ってきました。そいつは担任に会釈をすると、

「おい、岡本、おるか? お前、俺のモノマネしてるそうやな? ちょっとあとで職員室に来い」

と言って、教室を出ていきました。

そのあと、教室は湧きに湧きました。「うっわーー、岡本、ついにバレたぞ!」「おまえ、どーすんねん!?」「あいつすぐ殴りよるからなあ、お前やばいぞ!」。教室は、運動会より私が美術教師に呼ばれたことで持ちきりです。

 

「やべえなあ……あいつ、話の通じねえ、暴力教師だからなあ…」

 

ホームルームが終わるまでの約1時間、私はどうするべきか、考えに考えました。そこでひとつの答えを出したのです。「これしかない……」と心に決めました。

まあ、今考えると、モノマネしてたくらいでなんで職員室に呼ばれなアカンねん、と怒りさえ込み上げてきますが、頼りにならない担任も「行きなさい」と言うし、確かにモノマネはコロッケがやる長渕剛よりも度を超えてバカにしていましたので、仕方がなかったのです。

 

職員室で……

放課後、私は職員室のドアを開けました。その美術教師の他に、ほとんどの教師が在席していました。昔は、教師も偉そうにタバコを吸っていた時代なので、職員室はモクモクと煙っていました。大嫌いな場所でした。

 

私は美術教師のそばへ行き、「先生なんでしょうか」と、なぜ呼ばれたのか分からない…というようなニュアンスで声をかけました。そいつはスポーツ新聞を読みながら、

「おう来たか。おまえ、俺のモノマネやっとるらしいな」

私は、「はあ!?」と言わんばかりの顔で、「いや、ちょっと、そんなことは」と答えました。

 

教師「ええから、ここでちょっと、やってみい」

岡本「いや、先生、僕そんなんやってません」

教師「嘘言わんでええがな、聞きたいからやってみ」

岡本「よく分からないです。そんなんしてません」

教師「お前が俺のマネしてんの分かってんねん。ほれやってみ。人気なんやろ? 俺も見たいがな、面白そうやんけ」

岡本「いえ先生、モノマネとか、ちょっとよく分からないです」

教師「ええから、ええから、怒れへんからよ。ちょっとやって見せてくれ」

岡本「いや、先生、そんなん、できないです」

教師「(急に大声で)やれやっ!」

岡本「……………」

教師「あくまでもシラを突き通すんかワレ!」

岡本「できません。やってません」

 

こいつのやり口は分かっていて、たぶんモノマネをやった瞬間にグーで顔を殴ってくるでしょう。こういうスタイルでいつも授業をしていて、殴られた奴はかなりいましたから。それに、この段階では私も「なんでモノマネやったくらいで怒鳴られなアカンねん!」という強い怒りが込み上げてきていましたが、モノマネを認めたら終わりだと思っていましたから、絶対に首を縦に振るつもりはありませんでした。

 

こんなんパワハラだと思うでしょ、今の若いみなさんは耐性がないし。でも、昔の教師なんてほぼこんな奴らの集まりでした。生徒を虐めることしか考えてない奴らばっかでした。

 

ガンジーのように抵抗

私が職員室で一向に非を認めないばかりか、他の教師にもそのやり取りが聞こえてきて職員室内がざわざわ下北沢し始めたので、そいつは言うに事欠いて、

「ほな、お前は職員室の前で正座しとけ。俺がいいって言うまでな」

と言ってのけたのですよ!!!(あーー思い出しても腹立たしい)

 

岡本「え、先生、僕何もしてないって言ってるじゃないですか」

教師「あかん、おまえは先生を侮辱した」

岡本「いや、モノマネしてないですって」

教師「知っとるんや」

岡本「ほな、誰が言ってるか教えて下さいよ」

教師「ナマ言うな!(激ギレ)」

 

その後、どうしようもなく、こんなやった・やってない口論で教師に勝てるわけもなく、私は職員室の廊下に正座をさせられました。でも、どうしても納得がいかなかったので、画用紙に、

 

「私は美術の野崎先生のモノマネをしたという罪で正座させられています」

 

と書いて、自分の前に置いて、通り過ぎる別の先生たちに無言で訴えて、誰かこの馬鹿げた虐待を止めてくれ! とメッセージを発していました。

でも、私は普段からおちゃらけていて活発な生徒だったので、通り過ぎる先生みんなが「お、岡本がまたなんかおもろいことやっとるぞ」と笑いながら通過していくだけ、親からさんざんオオカミ少年にはなるなと教育されてきたのに「今の僕はオオカミ少年だ!」と泣きたくなってきました。

そんなとき通りかかったのが、私が大好きだった英語の若い女性教師の堀先生でした。今から考えると堀先生は25歳くらいだったのかな。顔はすごく美人で、ミニスカートばかりはいてるので、男子生徒から絶大な人気を誇っていました。堀先生だけは怪訝な顔で、

「何やってんの、岡本くん」

と聞いてきました。さすがアメリカ帰りやで、生徒がこんな理不尽な目に遭っていることが理解できなかったんでしょうね。私は画用紙を指差しました。

「モノマネ……正座……、なんて馬鹿らしい!」

堀先生はプンスカしながら職員室へ入っていきました。すると数分後、その美術教師が慌てた様子で廊下に出てきて、

「なんじゃ、その紙は! 誰がそんなんしてええと言うた! もーええわ、帰れボケ!」

と言ったのです。

 

勝ちました。

ガンジーが勝ったのです!

 

まとめ

で、結局何が言いたかったのかと言うと(笑)、目上の人間も完璧な人間じゃないから本当のことを言ってはダメだ、ってことなんです。

えみちゃんに「どう思ってんの? ほんまのこと言うてえな」と言われて、本当のことを言っているようでは、まともに社会人としての仕事なんてできまへんで、ということですわ。

私が美術教師に頑なにモノマネを認めなかったように、そんな誘い言葉に乗ってしまったらダメなんですよ。本当のことを聞いた瞬間、相手は豹変するつもりなんですから。

で、もし、関テレ上層部が「上沼さんギャラも高いし何とか番組打ち切りに持っていけ」と命令していたとしても、こんなやり方は部下としては失格です。誰もが喜んで、大団円で終わるように、深く考えるべきだったんです。煉獄杏寿郎も言っています、「心を燃やせ!」と。

関テレのスタッフは、25年もオモロい番組をやってきたえみちゃんに対して、本当に心を燃やしたんですか!? 目上の人に本当のことを伝えない代わりに、目上の人に恥をかかせたらダメでしょうが! そこを立ち回るんが、あんたらテレビマンの仕事でしょうが!

 

 

でも、まあ、ここまで騒ぎになっといて、9月から新しく上沼恵美子の新番組が始まる布石だったら「さすが関テレ! 変なセンスの社屋だけのことはある!」と褒め倒したいと思います。

 

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