桜が咲き乱れると精神が不安定になる人

今日は用事があってクルマで厚木まで行ってきました。
高速までの道中、桜並木がすこぶる綺麗な道を走りました。数年前までこの私も「桜を見ると精神が不安定になる人」でした。今は「あ、綺麗だな〜」くらいで、胸を締め付けられるほどの「あの想い」は薄れています。ギリギリのところで発症しないようになりました。
私が東京へ出てきた時、関西での仕事も恋も友人も全部ドブへ捨てて、30万円だけを握りしめてムーンライトながらに飛び乗ったという話は以前にしたと思います(https://blackthetaboo.com/archives/375)。
大学時代の怖い先輩に無理矢理話をつけてもらって住んだアパートは2階建てで、1階が一人暮らしの大家さんでした。先輩からは「おまえ働いてるってことにしとくから」と言われ、くれぐれもバレないように釘を差されていました。
ですから、昼間は目が覚めていても布団に横たわり天井を見つめていました。寝返りさえ打てません。肘や膝の硬い部分が床に当ってしまったら、木造のアパートではすぐ下の大家さんに聞こえてしまいます。大家さんは良い人だったから(創価学会だけど)、話せば分かってくれる気もしていたんですが、先輩の命令には逆らえません。あ、今書きながら思ったけど、先輩も学会なのかな。学会繋がりだったのかな!? ま、どーでもいいけど。
あの時は、昼間やることがなくて本ばかり読んでいました。
で、夜に出かけるわけです。夜中に東京中を歩きまくっていたわけですが、それではだんだんキツくなりスーパーカブを五日市街道沿いのバイク屋で購入しました。
ただ、遠くまで行きすぎて、明るくなってきたのに家に着かない時も多々ありまして、この時はバイクの音をたてて家に帰ることが出来ず、公園などで暗くなるまで時間を潰していました。
私は小金井市東町に住んでいたので、すぐその近くの「栗山公園」というところでボーっとしていました。
そこの公園のベンチに座り、履歴書を書いていました。
ふと「あれ、高校卒業って何年だったかな?」と顔を上げた時、咲き乱れる桜、花びらが舞うシャワーの中、高校生のカップルが自転車に二人乗りして楽しそうに走っている姿が目に入りました。
一人でアテもなくやってきた東京。
小金井という縁もゆかりもない土地。
俺は今、独りで履歴書を書いている。
それも外で。
この高校生のカップルの記憶には、
俺のことなんて微塵も刻まれていないのだ。
俺は今ここにいるよ。
ここで履歴書を書いて、いーるーよ。
この時、私は不覚にも先の見えない状況にえづきそうになりました。下腹に、ドヨ〜〜〜ン、としたものを感じたのです。とにかく、急に不安感によって押しつぶされそうになったのです。
この時のこの「ドヨ〜〜〜ン」感が、翌年から桜を見る度に私を襲いました。
栗山公園を、
高校生カップルを、
大家さんの不気味な笑顔を、
先輩が握っていた竹刀を、
別れた恋人を、
友人にあげた自転車を、
二度と戻らないと誓ったあの日を思い出し……。
でも、今年はなぜ桜を見ても平気なんでしょうか。答えは簡単です。
今また、公園に住んでもおかしくない状況だからです。
会社をクビになり不安定の渦中にいるから、思い出になんて浸っている場合じゃないわけです。
ちきしょう!
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